理事長からのメッセージ

ごあいさつ

みやぎ農業振興公社は、平成24年に宮城県農業公社(昭和42年発足の宮城県畜産開発公社と昭和45年発足の宮城県農地管理公社が昭和55年に合併)と、みやぎ原種苗センター(昭和28年発足の宮城県産米改良協会を前身に平成4年に再編)、みやぎ農業担い手基金(平成2年発足)の3法人が合併して誕生し、令和4年で10周年を迎えます。

 業務内容は、①農地の集積による農業経営の効率化・安定化、②意欲のある担い手の育成、③優良種子・種苗の安定供給、④肉用牛の生産振興、⑤生産基盤となる農地・施設等の整備や営農支援の公益5事業であります。
業務の推進に当たっては、役職員が一丸となって、「ご相談下さい。みやぎ農業振興公社」を合い言葉に、お客様である農業者、関係機関・農業団体等に対し「ワンストップ型の対応と迅速でかつ質の高いサ-ビスと技術の提供」をモット-にしております。

 未曾有の大災害でありました東日本大震災から11年が経過しましたが、本県では、農地の大区画整備など創造的な復興の取り組みにより、100ha超える大規模土地利用型法人や高度な環境制御技術を導入した先進的な施設園芸団地が数多く誕生してきております。

 この間、当公社は農地の暗渠排水工事や発注者支援業務、放射能に汚染された稲わらや牧草の保管、農地還元、草地の除染等を通じて復旧・復興の一翼を担って参りました。

 最近の農業を取り巻く情勢は、2年以上も続く新型コロナウイルスの感染拡大の影響で米の消費が一段と減少して在庫が更に膨らみ、R3年産米の概算金は大幅に落ち込む状況となりました。

 R4年産米についても約4,000haの作付け減を余儀なくされ、収益性の高い園芸作物や需要の高い飼料米や子実用トウモロコシへの作付け誘導が喫緊の課題となっています。  それに加えて、野生鳥獣の被害や豚熱、鳥インフルエンザの発生など生産農家にとってはかつてない程、経営環境は厳しい状況となっています。

 当公社にとって、令和4年度も新型コロナウイルスの感染拡大に伴う様々な制約の中でのスタ-トとなりましたが、県内外の諸情勢を踏まえ、県が昨年3月に策定した「第3期食と農の県民条例基本計画」や「公社第2期中期経営プラン」(令和4年は5ヶ年計画の最終年)を基本指針に、公益法人としての使命を果たすため、公社の持つ人財や機能をフルに活用して各種事業を推進して参ります。

 具体には、農地中間管理事業については、農村整備事業の実施地区において、公社の持つハ-ド部門と中間管理事業のソフト部門を一体的に進める「機構パッケ-ジ型支援」について、国のガイドラインが変わり、また土地改良法が改正になった事を追い風に県や土地連との連携を更に深め、事業採択に向け、県、市町村、土地改良区等への働きかけを強めて参ります。

 担い手の確保・育成の面では、県や農業会議と連携の下、「新規就農相談センタ-」や「農業経営・就農センタ-」を中心に、きめ細かな就農相談や農業見聞の集いの開催、経営管理研修、専門家派遣等を行い、新規就農者の確保や担い手の育成、法人化を支援して参ります。

 原種苗関係では、県の種子条例に基づき、「だて正夢」や「にこにこベリ-」をはじめブランド種子・種苗の安定生産と供給を行うとともに、転作拡大に伴い需要の増加が見込まれる飼料用米多収品種種子の確保に努めて参ります。

 畜産では、昨年、施設整備と草地関連機械の導入を行った白石牧場において、家畜管理作業の効率化や飼料自給率の向上により低コストの子牛生産を進めるほか、4月から繁殖牛経営の後継者や新規就農の研修事業をスタ-トさせます。

 また、稲WCSにつきましては、これまで利用農家のサ-ビスを優先し、刈取料金や販売価格を据え置いてきましたが、収穫機械の更新が出来ない状況が続いておりました。

 このようなことから、昨年度、生産費用の詳細な調査を行い、この結果をもとに今年度から再生産が可能な価格体系でのWCS事業を進めてまいります。

 そのほか、市町村の公共牧場や堆肥センタ-の整備。放射性汚染牧草や稲わらの保管・処理の業務を県や市町村から受託して進めてまいります。

 農村整備事業では、県の園芸産出額倍増計画の実現に向け、これまで軟弱地盤など条件の悪い「ほ場」でドレンレイヤー工法による補助暗渠を含む排水改良を市町村やJA,土地改良区等から受託して実施してまいります。また、設計資料の作成、現場技術業務の受託のほか、土地連に開設した「ため池サポ-トセンタ-」の運営支援として、ドロ-ンや管内カメラ等の資材を活用した調査事業を受託してまいります。

 関係各位のみやぎ農業振興公社事業へのご理解とご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。

令和4年4月

  公益社団法人 みやぎ農業振興公社
理事長  江 畑 正 徳

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